山口県には、県東部に岩国錦帯橋空港、県西部に山口宇部空港があります。県央部の防府市には、現在、航空自衛隊が使用する防府北基地があります。
防府北基地について

防府北基地(Hofu Kita Airbase)は山口県防府市田島に所在し、航空自衛隊のパイロットを養成する第12飛行教育団などが配置されています。
終戦後にはイギリス軍に接収され、イギリス連邦の一員であったオーストラリアのカンタス航空が定期便を就航させた歴史もあります(シドニーからダーウィン、マニラを経由する路線)。また1963年には、東亜航空が防府〜広島便を就航していた時期もありました。
防府北基地のあゆみ
- 1944年(昭和19年)4月 旧陸軍航空部隊の防府陸軍飛行場として開設
- 1945年(昭和20年) 海軍兵学校防府分校が併設
- 1945年(昭和20年) 連合国軍により占領
- 1947年(昭和22年) イギリス連邦占領軍の一員であったオーストラリアのカンタス航空が定期就航
- 1963年(昭和38年) 東亜航空が防府〜広島便を就航
山口県第3空港としての可能性

大殿経済研究所では、既存2空港に加えて、県央部に所在する防府北基地の官民共用化を一つの構想として考えています。県央部に空港機能が加わることで、山口県に3つ目の空の玄関口が生まれる可能性があります。
既存の滑走路は1,500mで、就航可能な機材には制限があります。ただし、FDA(フジドリームエアラインズ)は同程度の長さの滑走路を持つ空港にも地方路線を多数就航させています。
周辺地域からのアクセス
- 新山口駅 → 防府北基地 約22km/約24分
- 防府市役所 → 防府北基地 約3.1km/約8分
- 周南市役所 → 防府北基地 約32km/約40分
防府市の利便性向上はもとより、山口市にとっても山口宇部空港と同程度の利便性が期待でき、大手製造業が集積する周南市には新たな交通手段の選択肢を提供することになります。
地域経済への可能性
山口県の2空港の利用者数は、コロナ禍で大幅に落ち込んだ後、着実に回復基調で推移しています。山口県の発表によれば、令和7年度の実績は山口宇部空港の国内定期便が約85.6万人、岩国錦帯橋空港が約55.1万人でした。
防府北基地の周辺には、防府市(約11.6万人)、周南市(約14.5万人)、下松市(約5.5万人)、山口市(約19.7万人)が位置し、これら4市の人口は合計で約51万人になります。
将来的な利用需要についても、人口や既存交通との関係を含め、今後検討していく必要があります。
参考:札幌丘珠空港の事例
防府北基地と同程度の滑走路長を持つ札幌丘珠空港では、10年後を目処に1,800mまでの滑走路延長と空港整備の計画が進められています。同空港は札幌市中心部から直線距離で約6kmに位置することから、新千歳空港に加えて丘珠空港の拡充を求める声が地元経済界からも上がっています。
まとめ
山口県は経済的な一体性を欠き、突出した中核都市が存在しないという特徴があります。防府北基地は山口市・防府市・周南市のいずれからも利用可能な立地にあり、官民共用化が実現すれば、山口県央部における新たな交通インフラとして地域経済の活性化につながる可能性があると考えています。
※「山口県第3空港」は、大殿経済研究所による構想・提案であり、現在計画が決定しているものではありません。本記事に記載した距離・所要時間は目安です。